建設コンサルタントにとって有利な資格はコレ!準備を大切に!

たじ

せっかく建設コンサルタントを目指すなら資格を取りたいけど、どんな資格が優遇されるんだろう。

建設コンサルタントを目指すあなたは資格取得についても意欲があると思います。資格の取得にあたってどんな資格が優遇されるのか気になるのではないでしょうか。

この記事では、建設コンサルタント会社に7年間勤め、現在は建設業にかかる事務に5年従事している私が両方の立場から、建設コンサルタントとして働いていく上で「取得すると優遇される資格」、「あるいは仮に建設コンサルタントを辞めたとしても有利に働く資格」について紹介します。

その資格は技術士一択です。新卒で就職前であれば、この資格の一次試験試験合格者または同等と認められる技術者とされる修習技術者となることを目指しましょう!

なぜ有利に働く資格が技術士一択かというと、建設コンサルタントとして取得できる唯一の国家資格だからです。

国家資格であることで優遇される様々なシステムが構築されており、社会から重宝される資格といえます。

民間資格ではシビルコンサルタントマネージャーやコンクリート診断士、土木鋼構造診断士なども重宝されますが、最終的に目指すべきは技術士です。

最終的に技術士を目指すとして、経験年数が経つまではそれまでのステップアップの方法として民間資格を取っていくことはいいことなので積極的にチャレンジしていきましょう。

私も技術士を取得する前にコンクリート技士や1級土木施工管理技士の資格を取得し、弾みをつけて資格試験に臨みました。

目次

建設コンサルタントにとって有利な資格=技術士

技術士とはどんな資格なのでしょうか。ポイントを抽出すると次のとおりです。

  • 技術士は科学技術に関する高度な応用能力を認められた国家資格
  • 技術士は名称独占資格であるが、業務独占資格に極めて近い資格技術士は国際的にも認められた資格で顧客に対しても安心・信頼を提供できる 

まずは技術士の定義をみてみましょう。

公益社団法人 日本技術士会    HPより引用

この資格は科学技術に関する高度な応用能力を認められた最も権威ある国家資格ですが、この資格がなくても建設コンサルタント業を営むことができます。

この国家資格は弁護士免許や医師免許のような業務独占資格ではなく、名称独占資格という資格を持っている人だけが名乗れる資格です。

だったら、「技術士を名乗りたい願望がなければ、資格取る意味ないんじゃない」と思うかもしれません。しかし、実質的には業務独占資格でないにも関わらず、この資格がなければ仕事ができない場面が多々あります。

実際に多くの公共事業では技術士の資格をもつ者を責任者に配置できることを契約の条件にしています。資格がないと入札参加できないことになります。

また、会社に資格保持者が多くいると総合評価方式という入札方式では入札順位を決める際に加点割合が多く、契約の可能性が高まります。

これらのことから実質的には業務独占資格に極めて近い資格といえます。

そのほかのメリットとして海外でも通用する資格であること。技術士を名乗ることで顧客に対して安心や信頼を提供できることがあげられます。

私が技術士を取得したことで思ったことは、この資格をとることで社会的信頼がすごく上がることはもちろん素晴らしいことですが、資格を取ったからと言って一個人の技術力が飛躍的に上がるわけではなく、技術をしっかり説明できる力があることが公的に証明されて、自分自身にとって自信になることが最も重要なことだと思いました。

この自信が顧客に対しても安心や信頼関係を構築する上でも重要になってくると思います。

建設コンサルタントにとって有利な資格である技術士資格の取得方法

それでは、技術士の資格はどうやって取得するのでしょうか。ポイントは次のとおりです。

  • まずは修習技術者になりましょう
  • 修習技術者になるためには技術士(一次試験)に合格する、または認定された教育機関の過程を修了しましょう
  • 修習技術者になってから、所定の期間について経験年数が経過したのちに技術士(二次試験)に合格して、技術士の登録を完了して晴れて技術士となります!

技術士資格取得までの仕組みについては日本技術士会のH Pで以下のようにまとめられていますので参考としてください。

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公益社団法人 日本技術士会 HPより引用

最も短い期間で技術士となるためには、一次試験に合格し修習技術者となったあと、優れた指導者の下で4年を超える実務経験を積むことが必要とされています。

実際に受験するときの経歴書に指導技術士の押印を受ける必要がありますが、直近の指導技術士だけでいいので受験するときの上司に指導技術士として経歴を証明してもらいましょう。

私は上司に技術士を持っている人がいない期間があったのですが、色々と教えてもらっていた先輩社員のうちの一人が技術士を持っていたので、先輩にお願いして指導技術者として経歴を証明してもらったことがあります。

実際に合格したのは修習技術者になってから8年が経過したときでしたが、試験に慣れるために受験したかったので、受験資格が得られる状況であればあなたも積極的に試験に挑戦してみてください。

修習技術者について

それでは、一次試験の合格者とされる修習技術者及び同等と認められる者について詳しく解説します。

日本技術士会HPには次のQ&Aが整理されており、参考としてください。

修習技術者について

Q:修習技術者とは何ですか。
A:「修習技術者」とは、「技術士第一次試験合格者及びそれと同等と認められた者」で、「技術士補」となる資格を有する者のことです。「修習技術者」は、法律用語ではありませんが、科学技術・学術審議会の技術士分科会等で使われています。

 「技術士第一次試験合格者」もしくは、技術士法第三十一条の二第二項の「大学その他の教育機関における課程であって科学技術に関するもののうちその修了が第一次試験の合格と同等であるものとして文部科学大臣が指定したものを修了した者」に該当する方々を「修習技術者」と総称しています。

Q:「修習技術者」の資格は登録しないといけないのでしょうか。
A:「技術士第一次試験合格者及びそれと同等と認められる者」に該当すれば、「修習技術者」となります。登録の必要はありません。

認定された教育課程の修了者について

Q:「認定された教育課程の修了者」とは何ですか。
A:技術士法第三十一条の二第二項に「第一次試験の合格と同等であるものとして文部科学大臣が指定したものを修了した者」とありますが、これを「認定された教育課程の修了者(JABEEの認定プログラム修了者のうち文部科学大臣が告示した教育課程の修了者)」と呼んでいます。
 「認定された教育課程の修了者」の方々は、「修習技術者」となります。
 「修習技術者」としては、「第一次試験合格者」と「認定された教育課程の修了者」は同じです。

Q:自分の課程が「認定された教育課程の修了者」に該当するかを知りたいのですが。
A:官報の告示をご覧下さい。その際、指定修了年月日以降に修了していることもご確認下さい。こちら(指定された教育課程の修了者について)からご参照いただけます。

Q:「認定された教育課程の修了者」で得た修習技術者の資格は、どのように証明するのでしょうか。
A:各教育機関でJABEE認定プログラムの修了証または証明書を発行してもらえます。

公益社団法人 日本技術士会 HPより引用

整理すると修習技術者になるには2通りの方法があり、一次試験に合格するか認定の教育課程を修了することが必要となります。

一次試験の受験資格はありませんので、どなたでも受験できます。

合格に向けては勉強次第ですが、物理や数学の科目があるため、るべく学生時代か就職して時間を置かずに受験することをオススメします。時間が経てば経つほど、合格することが困難になることが予想されるためです。

私は認定された教育課程を修了することで修習技術者となりましたが、同期には一次試験を学生時代に通過した者や就職後に受験している者もいました。

たまに「一次試験に合格せずに学校を卒業するだけで二次試験を受けるのはおかしい」という人がいたりしますが、認められている制度ですので気にせず二次試験から試験を受けましょう。

私は一次試験の勉強する時間があるなら二次試験の対策をするほうがよっぽど価値があると思います。

ただし、国立大学であったとしてもその大学が認定を受けるかどうかは大学側の判断となるため、あなたの修了(予定)の教育機関が認定を受けているかどうかは個別に確認してください。こちら(指定された教育課程の修了者について)からご参照いただけます。

二次試験について

二次試験は約1年間に渡る長期間の試験となります。

例年では4月下旬から5月上旬までに願書を提出し、7月中旬に筆記試験が実施されます。10月下旬に筆記試験の合格発表後、合格者それぞれが12月〜翌年1月にかけて口頭試験、3月上旬に合格発表となります。

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から令和2年度は変則的な試験となったようですが、令和3年度の技術試験については既に概要が発表されていますので、こちらからご確認ください。

試験方法の概要は以下のとおりです。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-10.png

公益社団法人 日本技術士会 HPより引用

私が技術士に合格したのは平成30年度でしたので今の試験方法は異なるものでした。試験方法は6年周期で変更となっていますが、筆記試験の必須科目が択一式なるのか記述式になるのかの違いです。

勉強方法も大きくは変更ありません。必須科目は主に国土交通白書の内容から出題される傾向が強く、国の政策や方針を正しく理解する力が試されます。

試験概要からもお分かりかと思いますが、とにかく書くことが求められます。

私も人生で一番文章を書いた日はまず間違いなくこの試験日です。何年も受験していると夏といえば字を書くという連想が頭に浮かんでくるほどです。

パソコン仕事に慣れている現代人に取っては地獄の試験となり、書くスピードは訓練しなければ身につきません。したがって初めて試験を受ける場合まずは、ひたすら書く練習が必要です。

書いた内容を審査する試験なのに、書く訓練をするってナンセンスだと思いますが、書く訓練をすることで理解の向上にもつながるので腐らずやってみてください。

さらに、課題解決問題については構成に失敗すると取り返しがつきません。試験の終盤に消しゴムで全消しなんてしていると、その時点で不合格確定なので泣きたくなります。

私は制限時間30分前にかなりの範囲を消して、書き直したことがありますが、結果はやはりよくありませんでした。書く前にしっかり構成を練る準備が大切です。

そして10月末に筆記試験結果が合格だった場合は、速やかに口頭試験の準備に取り掛かります。

口頭試験では4月の申し込みの際に業務経歴を記載するのですが、この業務経歴について質問を受けます業務経歴は実は最重要項目でここを申し込みの時点で整理しておかなければ、口頭試験では極めて厳しい状況に追い込まれますので、申し込みにの際にはできるだけ添削を受けることをオススメします。

口頭試験の合格率は95%を超えるので、まず落ちることがないというのが逆にプレッシャーを生み、精神的に追い詰められていきます。

私は想定問答を自分の声でiphoneに録音し、隙間時間になるべく聞いていました。自分の声を聞き続けるのは気持ちのいいものではありませんが、聞き続けると自然と覚えることができました。

口頭試験は東京で一発勝負なので人生で一番緊張しました。この口頭試験で落ちるとまた来年筆記試験からの挑戦となるため、絶対に合格したいと心から思っていました。

緊張で頭が真っ白になる場面もあったのですが、この口頭試験は試験官が落とすことを目的とするわけではなく、経歴や業務の課題解決にあたっての考え方を引き出してくれたように思います。

3月に合格の発表があったときは、この上なくうれしかったことを記憶しています。

この二次試験に関しての詳細は長くなるので別の記事としますが、近年の合格率が10%を切る難関試験となっているものの、実際には「本気で合格したい」と思っている人の合格率で考えれば20〜30%が妥当なところだと個人的には思っています。

会社から試験を受けろと命令されて」とか、「同僚も受けているから自分も」という人が多数おり、退室が許されていたときはかなり早い時間で退出する人が多数いました。

まとめ

この記事では建設コンサルタントとして働いていく上で取得すると優遇される資格あるいは仮に建設コンサルタントを辞めたとしても有利に働く資格について紹介しました。

その資格は技術士一択で新卒で就職前であれば、この資格の一次試験試験合格者または同等と認められる技術者とされる修習技術者となることを目指しましょう!

技術士の二次試験の受験には実務経験が必要なので、就職を考えているあなたには受験資格がないかもしれません。

技術士の二次試験を受けるためには修習技術者になる必要があります。

この試験に受験資格はありませんので、腕試しに受けてみるのもいいと思いますし、あなたの修了(予定)の教育課程が認定を受けている場合は別の民間資格に挑戦するのもいいと思います

ただし、建設コンサルタントを生業とする場合、最終的に目指すべき資格は技術士であることを覚えておいてください。

この記事が、建設コンサルタントを目指すあなたに少しでも参考となればうれしいです。

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