2021年3月29日、めざましテレビの2021年新テーマ曲でYOASOBIの「もう少しだけ」が初OAされました。
YOASOBIの楽曲は作詞作曲をAYASEが担当し、ボーカルをikueaが担当する構成となっています。楽曲は小説を原作として制作されており、原作になった小説も話題となっていますね!
AYASEさんいわく「YOASOBIの楽曲と小説は表現方法の違う兄弟のような関係性」とのことです。
原作はもちろん、そこから生み出された歌詞が非常に共感できるものだったので、今回はYOASOBIのこの書き下ろし楽曲「もう少しだけ」にはどんな意味が込められているのか考察をしてみました。
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YOASOBI|もう少しだけについて
YOASOBIのお二人は「もう少しだけ」について以下のとおりコメントされています。
<YOASOBI コメント>
Ayase
「楽しみながら曲を制作させていただきました。無事に完成した達成感と、“良い曲を作ったな”という手応えがあります。歌詞の中には、原作小説の『めぐる。』の登場人物と、小説の中での出来事をちりばめました。 “ちょっとしんどいな”と思う朝や、何かをするのをためらってしまう朝にこの曲を聴いて、“もう少しだけ頑張ってみようかな”という気持ちになってもらえたらうれしいですし、この曲と一緒に良い1日を過ごしてほしいと思っています」
ikura
「『めざましテレビ』のテーマソングとして、聴く人の背中を押せたらいいなと思い、そっと包み込んでくれるそよ風のように歌うことを意識しました。曲のテンポも、歩くスピードと同じくらいの心地よいものになっているので、ぜひ家を出るタイミングで聴いていただけたらうれしいです。皆さんの朝に寄り添える曲になることを願っています」公式サイト より引用
もう少しだけ、もう少しだけとそっと背中を押してくれる毎日のささやかな応援ソング
人それぞれの朝の形があると思いますが、もう少しだけ進んでみようと思うことで平凡な日常に光が差し込んだり、もう少しだけ優しくなろうと思うことで皆が幸せになれることがきっとある。
そんなときに背中をそっと支えて、自分を応援してくれるのがこの「もう少しだけ」なんだと思います。
原作の主人公3人の関係性
後述もしていますが、YOASOBIの楽曲には原作があり、コロナ禍の今を切り取った短編小説となっています。3人の関係性を整理してみたので、考察の前の事前情報としてチェックしてみてください。
主人公 | 会社員 | 女子高校生 | おばあちゃん |
---|---|---|---|
休日出勤の会社員 | 娘にケーキを約束した | ケーキが売り切れで買えないところだったが、女子高校生から譲ってもらう | 移動に困っていたおばあちゃんをお墓参りへ送る |
大会を控えた女子高校生 | 両親へのプレゼントとして購入したケーキを会社員へ譲る | 大会で好成績を残したい | おばあちゃんからバスの順番を譲ってもらう |
お墓参りに行くことを決意したおばあちゃん | 会社員にお墓参りに送ってもらう | 自分は急がないからと女子高校生にバスの順番を譲る | 今日を自分にとっての 特別な日として夫のお墓参りへ |
原作の主人公3人に共通すること
小説では3人の主人公が描かれており、同じ朝の情報番組を見聴きし、占いのワンポイントアドバイスである「いつもしないこと」を心がけて1日を過ごします。
自分のとっての今日の目標がそれぞれにありますが、それだけを優先するのではなく誰かのために「いつもしないこと」を心がけることで幸せの好循環がめぐるいう内容です。
表の中でいえば赤字が相手に善意でしてあげたことで、青字が善意を受けたことになります。
私もこの原作を読んで「今」という平凡な日常の中で、コロナ禍以前よりも他人に対しての思いやりの少なくなっている現状、こうした不自由な世の中でも思いやりを持って一歩を踏み出す大切さを思い出すことができました。
YOASOBI|もう少しだけの歌詞を考察
2021年3月29日にめざましテレビで放送された「もう少しだけ」の歌詞を書きおこして考察していきます。
楽曲が細切れでOAされたので一部が途切れていたり、構成が異なるかもしれませんが、ご了承ください。
なお、著作権の都合上、歌詞全文については公式サイトやYouTube等からご確認ください。
YOASOBI|もう少しだけのサビの歌詞を考察
もう少しだけ もう少しだけ
踏み出せたのなら
そう小さな優しさを
分け合えたのなら
ありふれた一日が
素敵な日になっていくほら
そうやって何度でも
喜びはめぐる
この楽曲はサビから始まります。
特別な毎日を送っている人はいないのだけど、自分一人で生きているわけではない。
そんな平凡な毎日を生きる上で、いつもよりほんの少しだけ見知らぬ誰かに、善意や優しさを分け合えたら。
平凡な1日が素敵で特別な日になるから、何度もそんな日がくるように、喜びが循環するように、と願いが込められているのだと思います。
YOASOBI|もう少しだけの1番の歌詞を考察
慌ただしくすぎる朝に
いつも通りすぎる朝に
頼まれたお使いと予定を照らす
君が教えてくれたあてにしてない占いの言葉
「いつもしないことを」だって
そんなことを頭の隅に置いたまま
いつもの今日へ
1番では休日出勤(平日の水曜)のサラリーマンにスポットが当てられ、娘に頼まれた水泳の進級試験の合格祝いとしてケーキの「お使い」と休日出勤で普段とは違う「予定」に頭をめぐらせます。
娘からは出発前に占いのワンポイントアドバイスである「いつもしないことを」と声をかけられます。
3人の主人公に共通することで、朝の情報番組「めざましテレビ?」を見る習慣があり、番組のコーナーの一つである占いの結果を見聞きします。
順位や占いの結果については多くは語られませんが、多分1位ではありません。そんな運勢の今日のワンポイントのアドバイスを3人が意識することで物語がめぐっていきます。
YOASOBI|もう少しだけの1番のサビの歌詞を考察
もう少しだけ もう少しだけ
踏み出せたのなら
もう少しだけ あと少しだけ
優しくなれたのなら
ありふれた1日も
素敵な日になっていくような
そんな気がしたんだ
今喜びはめぐる
冒頭の歌詞と違う箇所がいくつかあります。
4回目のもう少しだけがあと少しだけに変わっています。
もう少しだけよりもあと少しのほうが少ない印象になるので「最後のひと押し」を応援してくれていますね!
そして後半では「そんな気がしたんだ 今喜びはめぐる」とあり、冒頭では願いであったことが思いや行動に変わっていることがわかります。
これは3人が「いつもしないこと」を意識し、相手のためになることを意識したことで願いが思いや行動へ変わったのではないでしょうか。
YOASOBI|もう少しだけの2番の歌詞を考察
暗いニュースが流れる朝に
気持ちが沈んでいく朝に
自分は「いらない」存在?
なんて考える朝に
あなたのことを思い出したんだ
あなたに会いたくなったんだ
久しぶりに会いに行くよ
いますぐに
2番では夫に先立たれたおばあちゃんにスポットがあたっています。
新型コロナウイルスの影響で、不要不急の外出を制限しているため「誰も会いに来てくれない自分はいらない存在なんじゃないか」と思ってしまう朝を過ごしています。
そんなときに占いのワンポイントの「いつもしないことを」に励まされ、「自分によって今日が不要不急の日」として、お墓参りで夫に会いに行くことを決意します。
大切なひとを思うことに不要不急なんてありませんよね。すぐに会いにいきたくなりますもんね!
YOASOBI|もう少しだけの大サビの歌詞を考察
今日もどこかであなたが
今を生きるあなたがただ
小さな幸せを
見つけられますように
3人の主人公には今日の目標がありますが、トラブルやハプニングにより一筋縄では達成できない状況に陥ります。
しかし、「いつもしないことを」意識する3人は思いがけず助け合う形となり、善意の連鎖がめぐっていきます。
見返りを求めての行動ではなく、善意で行動した。
一人では解決できない問題を人の助けを借りられたから、いいことをしてあげたから自分にいいことが返ってきた。
この巡りを小さな幸せとして平凡な毎日に光がさすようにと願いや思いが込められているのだと思います。
YOASOBI|もう少しだけの歌詞の原作小説は?著者はどんな人?
今回の原作となっている小説は「めぐる。」で、作者は千春さんという中高一貫校の国語の先生
この企画はYOASOBIによる2021年めざましテレビ新テーマ曲の制作のため、小説投稿サイト「monogatary.com」で楽曲の原作小説を募集するコンテスト「夜遊びコンテストvol.3 withめざましテレビ」として開催されました。
小説のお題は「おはよう」が与えられ、5605作品の中から満場一致で「めぐる。」が大賞に選ばれました。
作者の千春さんもめざましテレビの視聴者で占いを毎日見ていてそこから着想を得たのだと思います。コロナ禍で不自由な生活を強いられながらも思いやりをもった人々の心温まる日常が描かれており、読み終えると心がぽっと暖かくなりました。
原作は無料で読むことができるので興味のある方はチェックしてみてください。
まとめ
今回はめざましテレビの2021年の新テーマ曲となったYOASOBIの書き下ろしの楽曲「もう少しだけ」にはどんな意味が込められているか考察をしてみました。
歌を聞くだけでなく、原作を読むことでも楽しむことのできるYOASOBIの活躍に今後も目が離せませんね!
また「もう少しだけ」の発売日についても以下でまとめていますのでチェックしてみてください!