建設コンサルタントって離職率が高い職業なのかな。やめる理由ってなんだろう。やめたあとってどうするの?
「建設コンサルタントって激務でやめる人が多い」って聞くけど、そんな職業について大丈夫だろうか。「やめるとしたらどんな理由で?」、「やめたあとはどうする人が多いのだろうか」
そんな心配をして就職活動しているあなたに建設コンサルタントで7年間働き、今は建設系の事務として5年間従事する私が建設コンサルタントの離職率、やめる理由、やめたあとどうする人が多いのか詳しく解説します。
まずは結論をお話しします。
質問 | 回答 |
離職率は高いの? | 離職率は高くはありません。 |
やめる理由は? | ・ステップアップ ・将来性に不安、仕事が自分に合わない ・健康上の理由、家庭の事情 |
やめたあとどうするの? | ・中小コンサルから大手コンサルへ ・全く違う業界・業種へ ・類似する業界へ |
建設コンサルタントの離職率は高くありませんので安心してください。
やめる理由のとして大きな仕事をするためのステップアップを目的として、中小の建設コンサルタント会社から大手の建設コンサルタント会社へ転職する人が多くいたので、建設コンサルタント業界全体として考えたときには離職率は高くないと考えられます。
それでは詳しくお話ししていきます。
建設コンサルタントの離職率は高い?
まずは建設コンサルタントの離職率について高いのか、調べてみました。
厚生労働省 2019 年(令和元年)雇用動向調査結果の概況 より引用
こちらのグラフは各業種の入職率と離職率を整理したもので建設コンサルタントが分類される技術サービス業の離職率が他の業種と比べても高くないことがわかります。
定年退職となる社員も含まれているので依願退職する割合を正確に反映できていないことに注意が必要です。このことを踏まえても離職率よりも入職率が上回っているので離職率が高いとはいえません。
次に離職者の年齢構成と離職理由について調べてみました。
一般社団法人建設コンサルタンツ協会 令和2年度建設コンサルタント白書 より引用
20〜30代の若手の社員の離職割合を合計すると50%を超えるのでこの世代の離職率が高いことがわかります。とりわけ20代の社員がやめることで、業界全体の年齢構成が歪となり、高年齢化が近年問題となっています。
ただし、20代の社員の離職率についてはどの業種でも問題とされている場合が多く、建設コンサルタントだから若手がやめるということではないと思います。
実際に私が勤めていた建設コンサルタント会社で若手社員の離職者は毎年1人いるかいないかという程度で400人程度の会社の規模から考えると非常に低い割合です。
したがって、建設コンサルタントの離職率は高くないといえます。これはワークライフバランスが比較的整っていることが要因として考えられます。
建設コンサルタントのワークライフバランスの充実については別の記事でまとめていますので詳しく知りたい方はこちからどうぞ!
離職率が高くないのに離職に至る理由とは?
建設コンサルタントの離職率が高くないことがわかったところで、やめる理由についてはどうでしょうか。
私が実際に見聞きしたもので次の3つがあげられます。
- 仕事のステップアップが目的
- 建設コンサルタント会社の社員としての将来性や適正に不安がある
- 家庭の事情や健康上の理由によるもの
一つ目の理由は、仕事のステップアップを目的としたものでもっと大きな仕事がしたいという熱意があっておこなうものです。
建設コンサルタント業においては会社の規模によっては大きなプロジェクトや大規模な開発に一部しか関われず、もっと大きな仕事がしたいという方にとっては会社を変えることでしか対応できない場合があります。
二つ目の理由は、この職業の将来性や適正に不安があるとしたもので、理想と現実の差があったのだと思います。
建設コンサルタント業は社会インフラ等の管理者である顧客の課題を解決することが目的となりますので、課題解決に向けての協議や設計、図化、数量計算、業務の管理監督など仕事が多岐に渡り、一杯一杯になるときもあります。
こんなはずではなかったのに・・・、と思い悩み、やめる人もいました。
三つ目の理由として、健康上の理由や家庭の事情によるもので致し方なくというものでした。
私自身も建設コンサルタントからの転職を経験していますが、その理由は家庭の事情によるもので建設コンサルタントの仕事については大きなやりがいを感じていました。
やめたあとはどうするの?
それでは、やめたあとについてはどうするのでしょうか。
離職した社員の主な転職先について調べてみました。
一般社団法人建設コンサルタンツ協会 令和2年度建設コンサルタント白書 より引用
グラフからわかることは同業種への転職と他業種への転職、地方公務員への転職が大部分を占めることです。
私の勤めていた建設コンサルタント会社では、中途採用で入社する社員が年に2〜3人いました。初めての配属先の上司3人中2人が転職してきた社員で、2人とも中堅社員としてバリバリ働いていました。
転職してきた社員は仕事のステップアップを目的としており、中小の建設コンサルタントから中堅〜大手建設コンサルタントへ転職したことで「この会社は恵まれているぞー」とよく言っていました。
会社規模が大きい方が働く社員によっては働きやすい環境が整備されていることが要因として考えられます。
反対に、やめる社員は他業種または地方公務員へ転職が多かったと思います。全く関係ない職業に就く人、やめたあとのことは考えていない人、発注者の仕事に興味をもってそちらに転職する人といった具合でした。
建設コンサルタントの仕事をすることで、多くのスキルを身につけることができるので他の職種でもそれを生かすことができると思います。
まとめ
この記事では建設コンサルタントで7年間働き、今は発注者として5年間従事する私が建設コンサルタントの離職率、やめる理由、やめたあとどうする人が多いのか詳しく解説しました。
建設コンサルタントの離職率は高くなく、やめたあとも建設コンサルタントで働く人が多いことがおわかりいただけたと思います。
もちろん、他業種へ転職する人もいますが、建設コンサルタントの仕事をすることで、多くのスキルを身につけることができるので他の職種でもそれを生かすことができると思います。
建設コンサルタントにぜひチャレンジしてみてください。
今回の記事があなたの役にたって、少しでもあなたの就職活動の手助けになればうれしいです!